「宇宙と宇宙とつなぐ数学 IUT理論の衝撃」が面白すぎる!

読書
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いつも読んでいただき、ありがとうございます。

東京工業大学教授である加藤文元教授が書いた「宇宙と宇宙をつなぐ数学  IUT理論の衝撃」という本をご存知ですか?これは同じく京都大学教授の望月新一教授がABC予想を証明したとされる「宇宙際タイヒミュラー理論」(略してIUT理論)について説明した本です。

もう本のタイトルやら宇宙際やらタイヒミュラーやら聞いたことのない言葉のオンパレードで、こんな本絶対に読まないと思う方も多いと思います。一応物理系の大学院を卒業した私でさえ、この本を開いてこれら聞いたことのない言葉を見たときは、さらにそれが縦書きの本であると知ったときには、「こりゃあかん」と思ったほどでした。

しかしながら食わず嫌いをするのももったいないため、また書評もかなり高評価だったため、そして何といっても「宇宙」が大好きな私にとってはとても魅力的なタイトルであったため、躊躇いながらも購入しました。

結論から言うと、この本は購入して大正解!めちゃめちゃわかりやすくて面白い!数学好きや数学に興味のある方は絶対に読んだほうがいいと思います。群に関する説明も秀逸でした。群は食わず嫌いしていましたが、ちょっと勉強してみてもいいかなと思いました。

きっとこの本を書いた加藤文元先生は、相当な文才があるのでしょう。そして教え方がとても上手なのでしょう。読者を置いていくことのないように、とても丁寧に慎重に読者を導いてくれます。

まず、IUT理論を発表した望月教授についてですが、経歴が凄すぎます。23歳で京都大学助手となり、27歳で助教授、そしてなんと32歳という若さで教授まで上り詰めてしまいます。

32歳で教授ってあまり聞いた事がないですよね。普通の会社で言えば、32歳で役員レベルまで登り詰めるのと同じくらいすごい事です。

この本ではIUT理論のほんの概要レベルまでしか触れていませんが、とりあえずIUT理論は既存の数学から少し離れて、新しい数学を作っているような理論らしいです。とにかく複数の数学の舞台を経由するような計算が必要であり、それらをまたぐという意味で「宇宙際」という言葉を使っているみたいです(世界をまたにかけることを「国際」と言うように)。

IUT理論がやろうとしていることは、以下の3点です。

  • 異なる数学の舞台を設定して、対称性を通信すること
  • 受信した対称性から、対象を復元すること
  • そうして生じる、復元の不定性を定量的に計測すること

つまり、IUT理論がその基礎に持っているキーワードは、「伝達・復元・ひずみ」ということになります。これらは複数の数学の舞台、つまり数学をするための一式の世界を複数用意するということになります。これが従来の数学とは抜本的に異なっているとのこと。

この本では例としてパズルのピースが出てきます。お互い形としてははまるピースなので、ピースの大きさが同じであればちゃんとはまります。しかしそれらのピースは大きさが異なるため、うまくはまりません。それをはめようとするのがIUT理論。ひとつの数学の舞台ではそれらをきちんとはめることができませんが、複数の数学の舞台を考えることでそれらを上手い具合にはめるような仕組みを考える、具体的には「足し算と掛け算を分離する」ということを実現しようとするわけですが、これは「正則構造」を維持する通常の数学の枠内では、完全に矛盾が生じてしまうものとのこと。

これだけ読むと「何のこっちゃ」になりますが、この内容にたどり着くまでに加藤先生は非常に細やかにわかりやすく本の中で説明してくれています。興味のある方は是非とも書店で手に取って読んでみてください。いえ、もうAmazonなり何なりでポチってしまってもいいと思います。

せっかく日本人が打ち立てた大理論です。まだこれが正しいと証明されているわけではないですが(難しすぎて査読・審査する人も困っている模様)、知的好奇心を刺激するためだけでも是非読んでみてください。

超絶オススメの本です!

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