ストーナー(STONER)という本を読んだ感想

読書
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いつも読んでいただき、ありがとうございます。

最近ストーナー(STONER)という本を読みました。作品社というところから出版されている海外の翻訳本です。価格は2,600円(税抜き)と、ページ数などから考えるとちょっとお高めです(普通だと1,900円くらい相当のもの)。

ネタバレとかそういう概念がない本だと思いますので、率直に私が感じたことを書きます。

まず、この本はストーナーというひとりの男の人生を綴った話です。

何かが起こり、その謎を紐解いていくというようなことは一切ありません。本当にただ単にストーナーひとりの人生が描かれているだけの本です。

そう聞くと、「そんな本の何が楽しいの?」と思われるかもしれません。

はい、その通りで特に楽しいという本ではありません。どちらかというと悲しくなるような本です。

しかしそこには人生の本質的な機微が描かれています。

ストーナーは非常に物静かな男です。何があっても動じず、あまり自分の感情を表に出すことなく、自分の思うことも押し殺して淡々と生きていきます。そのため、自分が不幸な状態であってもそれを我慢して生活しています。

なんだかあまり楽しそうな人生ではないですよね。

ただ、それでもストーナーはそれなりに幸せな人生を歩んだのではないか、とも思うのです。

好きなことを見つけてそれを仕事にでき、結婚し子供のいる人生を過ごす。特に自分が熱中できることを仕事にできたので仕事内容については不満がない。

これだけを見るとすごく幸せで理想的な人生のように思えますが、まあ色々とあります。どれもこれも一筋縄ではいっていません。

そんなことがひたすらに描かれている本です。

この本は、若い人が読んでもそこまで心に響くことがないかもしれません。例えば、もし自分が大学生くらいで読んだら、「なんだこの人?自分なら絶対にこんな生活はしないけどな」と思って、特にそれ以上のことを考えずに本を閉じていたでしょう。

しかし今の私のような、結婚して子供ができて家庭を持ったアラフォーくらいの人が読むと、非常に考えさせられる本に様変わりします。ストーナーの生活とは違えど、ストーナーの生活に共感し理解することができるようになります。

人生ってそういうことの繰り返しだよね、と。

ストーナーは何か特殊な能力があるような人ではなく、本当に普通の人です。普通に育ち普通に仕事をし普通に歳を取り普通に死んでいく。そんな普通の人の人生だからこそ、私のような普通の、特にこれと言ってメリハリのない人生を歩んでいる人にとっては心に響いてくるのです。

最近のビジネス本とかハウツー本とかに疲れてしまった人は、一度読んでみるといいかもしれません。

決して明るい内容とは言えない本ですが、そして決して読んでいて楽しいとは言えない本ですが、そこにはひとりの人間が歩んできた人生が書いてあります。何かしら人生のヒントになるようなことを見つけ出すことができるかもしれません。

久しぶりに読んでいい本だったと心の底から思える本でした。そして改めて読書の素晴らしさを実感しました。読書をすることで人生が豊かになるというのは、こういうことかと思いました。ビジネス本やハウツー本より何倍も役に立つと思います。

これから先、読める本の数は限られているので、このような素晴らしい本にできるだけ多く巡り逢いたいと思っています。

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