ドストエフスキー「賭博者」

読書

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

今回はドストエフスキー著の「賭博者」についてレビューをしたいと思います。

私は2月に出張でモスクワに行ってきました。まさか真冬のモスクワに行くなんて。。。

ちなみにモスクワは真冬でも雪はさほど降りません(と言ってももちろん降りますよ)。また一晩中除雪作業をしているので、朝になるとつい今しがた降った雪が薄っすらと積もっているくらいです。

なので雪はあまり積もりませんが、寒いので雪が溶ける事はなく、除雪できなかった雪は凍ってアイスバーンとなるため滑ります。そのアイスバーンもひたすら人手で壊しているので、モスクワの人は雪と永遠と格闘している感じです。

気温は高くてもマイナス5度くらいで、寒いときはマイナス20度程度でした。真冬の北海道の寒いところと同じくらいですかね。服装で必須なのが帽子です。ニット帽でいいのですがかぶっているのとかぶっていないのでは全く体感が違います。特に体の末端、耳や手や足は本当に痛くなりますので、できる限り肌を出さない必要があります。

モスクワの人は皆防寒対策はしっかりしていましたね。ひたすら帽子とダウンコート、そしてスノーブーツですね。ダウンコートのフードも大体皆かぶっています。それくらい頭を温める事は大事です。

異文化に触れるって面白いですよね。ロシアもそう思える国でした。ロシアの人々は皆とても協力的で、ラッシュで混んでいるバスや電車から降りる人がいるときは(日本と同じくらい混む)、皆声がけして協力して降ろしてあげます。日本のラッシュ時のあの殺伐とした感じとは大違いです。知らない人同士でも普通に話したりしています。

私は海外に行っていつも思うのですが、「日本人は親切だ」というのはどこから来るのですかね?海外の人の方がよっぽど親切だと思うのですが。もちろん日本人が親切ではないとは言いません。日本人が特別親切だとは思えないだけです。

日本のパスポートは世界最強、とのニュースが最近あったと思いますが、残念ながらロシアは観光にもビザが必要な国です。日本のパスポートも通じません。なので行くのに敷居は高いですが、もし興味のある方は是非行ってみる事をおすすめします。ただし、普通のロシア人に英語は基本的には通じないと思ってください。じゃあどのように会話をすればいいか。ジェスチャーですねw まあ英語を話せる人を探すのがベターです。

 

さて、前置きがすごい長くなってしまいましたが、ロシアに行ったからにはロシア文学を読まないわけにはいきません。私は今までドストエフスキーの「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」を読んだことがありますが、ちょっとこれらは長いので、読んだことのない、またそこまで長くない「賭博者」という本を読んでみました。

ロシアに行けば、ドストエフスキーの本でよく出てくる、すぐに叫ぶような人の気持ちもわかるのかな、と思いましたが、全くわかりませんでした。しかもこの「賭博者」はいつもにも増して叫ぶ人が多すぎる!半狂乱の人ばっかりで、まともな人はアストリーくらいしかいなかった気がします。

しかしながらドストエフスキーの本の中では、内容は理解しやすいと思います。最初の数十ページの人間関係の部分さえ読み進められれば、あとは普通の小説のようにスラスラと読めます。まあしかし、この本ではルーレットにハマる人が欲に負けてどんどん金をすっていってしまうのですが、確かに賭博は一度勝ってしまうと引き際がわからなくなりますよね。次こそは次こそは、と際限なくなってしまい、最終的には無一文になってしまう、その部分の描写がとてもよく描かれています。

半狂乱の人ばかりで途中で読むのが嫌になってしまう人もいるでしょうが、内容は理解しやすいので興味のある人は読んでみるといいと思います。せっかくなので「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」の内容をほとんど忘れてしまったので、再読しようかなと思っている今日この頃です。

ちなみにアイキャッチ画像は、トレチャコフ美術館で撮ったドストエフスキーの肖像画です。

 

      

 

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