タイタンの妖女

どのような本を読むべきか、ということについて調べてみたところ、爆笑問題の太田光が推薦する「タイタンの妖女」という本に行き当たった。
全く聞いたこともない本、しかも原書は洋書。
SF系は特に読んだことがなく、面白いのかなと思いながらとりあえず読んでみた。

内容は確かにSFチックであったが、ところどころに物理学的な内容がちりばめられていると感じた。
「時空等曲率漏斗」、はてなんのことやら、と思いながら読んでいると、波動現象に関連するらしい。
ここで私は量子力学のことを思った。

量子力学では、非常にミクロな世界においては、物質は粒子であり波動でもある。
しかもその位置は特定できず、確率的にしか存在しない。
つまり目の前にある特定しようとしている物質は、目の前に存在する確率が非常に高いが、宇宙全体のどこに存在していてもよい。
確率は限りなくゼロに近いが宇宙の果てに存在していても構わないのである。
(物理を専攻していたのでそこそこ知ってます)

もしかするとラムファードは量子力学を自由に操れるのでは?時空を自由に飛び越えることができるのでは?
量子力学と相対性理論の融合に成功した人物なのでは、などなど、ちょっと考えてしまった。

ちなみに今、量子力学と相対性理論の矛盾を解消するのに有望な理論は、超紐理論と呼ばれるもの。
相対性理論は、簡単に言えば時間と空間(合わせて時空)を一緒に考えた重力の方程式ですが、その方程式でブラックホールの中心を計算すると無限大に発散してしまいます。
その部分は特異点と呼ばれていて、中心の一点というミクロな場所が計算できないとなると、ミクロな力学の量子力学はどう扱うの?、との矛盾があります。
今のところ相対性理論も量子力学も実験結果と計算結果が完全に一致するので、この点はどう扱えばいいんだー、ってな感じになってます。

話が逸れました。
この本の結論は、私からすればハッピーエンドではありませんでした。
重たい話も多々出てきます。
ラムファードに対してもイライラするところが多々出てきますが、言っていることは正しいと思えてしまうので、なんとも言えない気持ちになります。

なんだかうまく感想が書けない本でしたが、またふとした時に読み返したい本になりました。

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