次期iPhone に搭載されるであろうA12プロセッサの性能について考察してみた

iPhone

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

例年の新iPhoneリリースから考えると、あと3ヶ月程で次期iPhoneが発売されるものと思われます。そこで、次期iPhoneに搭載されるであろうA12チップの性能について考察してみたいと思います。性能マニアの人しか興味ないとは思いますがw

性能を比較するための指標について

ここでは、Geekbenchというベンチマークソフトで算出される値で比較をしていきたいと思います。

現在の最新チップは、iPhone 8 / 8 Plus / X に搭載されているA11です。私の持っているiPhone X でGeekbenchを使ったベンチマーク結果は以下のようになっています。

シングルコアで “4,232”、マルチコアで “10,406” となっています。

Geekbenchを使ったことがない、見たことがない人にとっては、この数値が高いのか低いのかさっぱりわかりませんよね。これがどの程度の性能かといいますと、最新のMacBook Pro 13インチ 2017年モデルを上回っています(約9,000)。

つまりノートPCよりも性能が高いということになります。

参考に、MacBook Pro 15インチ 2017年モデルはマルチコアで約15,000となっています。これは流石ですね。MacBook Pro 15インチの性能は、数あるノートPCの中でも最上位のものと考えていただいて構いません。

まあ、そもそもプラットフォームが異なるため、単純に数値だけでは比較できないのですが、比較するためのひとつの指標としては十分使えるものと思います。

iPhone のSoC(いわゆるCPU)について

iPhone のSoCは、A10から高性能コアと併せて高効率コアというものが一緒に搭載されています。

  • 高性能コア:いわゆる通常のCPUコア。性能は高いが電力消費も高い。
  • 高効率コア:A10から新しく搭載されたコア。性能は低いが省電力に優れている。

先ほど載せたiPhone X のベンチマークのシングルコアの数値は、高性能コアひとつの性能です。マルチコアの数値は、高性能コアと高効率コアを全て合わせた性能です。A10では高性能コアと高効率コアを同時に使用することはできませんでしたが、A11からはコントローラが改善され、高性能コアと高効率コアを同時に使用することができるようになりました。そのためA11でのマルチコアのベンチマークスコアはA10と比べて一気に跳ね上がりました。

 

A10 Fusion

 

A11 Bionic

 

ちなみに、iPhone X のA11には、高性能コア2つ、高効率コア4つが搭載されています。

A12 のGeekbench結果を予想

私個人の感想ですが、今までのiPhoneの性能の歴史を辿っていくと、偶数から奇数のチップに上がったときは、性能が一気に上がる傾向があります。今回もA10からA11になった時に、性能が倍増しました。

そのため、A12についてはA11からそこまで性能が上がらないのではないかと予想します。そのためコアの搭載数についてはA11と同様に、高性能コア2つ、高効率コア4つと仮定します。

  • 高効率コアについては20%程度の性能アップ(経験則)、シングルコアの数値でいうと5,000程度
  • 高効率コアについては50%程度の性能アップ(経験則)

ここからマルチコアの計算となりますが、高性能コアは2つ搭載されているからといって単純に 5,000 × 2 = 10,000 というわけにはいきません。複数コアある場合はできるだけ効率的に処理するようにコントロールしているようですが、コア数分だけ倍増するということはありません。

ここでは1コア増えたら1.7倍程度の性能向上と仮定して、高性能コアの値は 5,000 × 1.7 = 8,500 とします。

次に高効率コアですが、これは計算が難しい。そのためiPhone Xの結果から単純化します。

A11の高性能コアひとつで4,232なので、高性能コア2つで 4,232 × 1.7 = 7,194。マルチコア結果から高性能コアの結果を引けば高効率コアの値が算出できるので、高効率コアの性能値は、10,406 – 7,194 = 3,212。

A11 の高効率コアの結果が出たので、A12ではこの値に50%程度の性能アップを見込んで、3,212 × 1.5 = 4,818。

高性能コアと高効率コアの予測値がこれで出揃いました。これらはそれぞれ独立して動作すると仮定して単純に加算します。

8,500 + 4,818 = 13,318

まだMacBook Pro 15インチ 2017年モデルには追いつきませんが、この性能ちょっとやばすぎませんか?スマホにここまでの性能は必要あるのでしょうか?

あるとしたらAR機能のためですかね。最近ARが主流になってきていますが、これにはかなりのCPU性能が求められます(どちらかというとGPUかもしれませんが)。なので今後もスマホのCPU性能はどんどん上がっていくものと考えられます。

総論

単純な計算でしたが、A12のGeekbenchでのベンチマークスコアを、シングルコアで5,000、マルチコアで13,000程度と算出しました。あと気になるのが、おそらく次期iPhoneと同時に次期iPad Proも発表されると思いますが、iPhoneと比べてクロック数を強化したA12を搭載するのか、はたまたA12XとしてiPad Pro用にさらに強化されたSoCを搭載してくるのか、気になるところですね。

次期iPhoneがA12を搭載されると予想されるので、同時期に発表されると思われるiPad Pro に、おそらくA11を強化したA11Xを搭載することはないでしょう。少し古くなりますが、iPad Air はiPhone 5s とほぼ同時期に発表され、iPhone 5s と同じA7プロセッサを搭載し、クロック数を引き上げるような措置が取られていました。

そのため今回もiPhoneとiPad Proが同時に発表されるのであれば、iPad ProにもA12が搭載されるのではないでしょうか。もしA12Xが搭載されるとなると、高性能コアはおそらく3コア搭載されるので、単純計算でベンチマークスコアが17,000程度にまで跳ね上がります。これだとMacBook Pro 15インチも超えちゃう。。。

果たして、一体どうなることやら。とにかく今から楽しみですね!

A11 Bionic のハイパフォーマンスについて
いつも読んでいただき、ありがとうございます。 今回は、iPhone X / 8 / 8 Plus に搭載されているCPU(最近はSoCと呼ぶことが多いみたい)、A11 Bionic のベンチマーク結果...
A11X ベンチマーク予想
A11 Bionic が驚異的なベンチマークを記録していますね。 次に出ると思われるA11Xの性能が気になったので、A11のベンチマークをベースに自分なりに計算してみました。 それが以下の表になります...

コメント