いつも読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、iPhone X / 8 / 8 Plus に搭載されているCPU(最近はSoCと呼ぶことが多いみたい)、A11 Bionic のベンチマーク結果がとてつもなく高い件について、少し考えてみたいと思います。
以下の記事で簡単に触れています。
https://kkgravity.com/2017/09/19/post-254/
ここで使用したテーブルを再掲します。
デバイス | シングルコア | マルチコア | GPU性能(Metal) |
---|---|---|---|
iPhone 8 | 4,189 | 9,983 | 15,617 |
iPhone 8 Plus | 4,142 | 9,883 | 15,510 |
iPhone X | 4,017 | 9,286 | 15,540 |
iPhone 7 | 3,328 | 5,545 | 12,367 |
iPhone 7 Plus | 3,332 | 5,558 | 12,390 |
iPad Pro (12.9インチ 2017) | 3,883 | 9,196 | 27,954 |
このベンチマークは、GeekBenchというベンチマークソフトを使用した結果です。
この結果から、マルチコアの性能についてはiPhone 7から8では、80%ものパフォーマンスアップとなっています。
しかしながら、シングルコアについては25%のパフォーマンスアップに留まっています。
Appleの発表会においても、高性能コアは25%アップしていると言っていたので、シングルコアの性能アップは発表通りの結果となっています。
そのため、単純に計算するならば、iPhone 8 のマルチコアのベンチマークスコアは7,000程度となるはずです。
ここで、iPhone 7 に搭載されているA10 Fusion と、iPhone 8 に搭載されているA11 Bionic の差が出てきます。
以下に記載する通り、A10 / A11 ではSoCに搭載されているコア数が異なります。
- iPhone 7 の A10 Fusion には、高性能コア2つ、高効率コア2つの、計4コア
- iPhone 8 の A11 Bionic には、高性能コア2つ、高効率コア4つの、計6コア
※高性能コアがいわゆる普通のCPUコア、高効率コアは処理性能があまり必要ないときに利用される消費電力の少ない低速CPUコアと考えてください。
また、SoCの使い方も異なっているようです。
実はA10では高性能コアと高効率コアの同時利用ができません。
そのためベンチマークのマルチコア結果は、高性能コア2つの処理性能となります。
しかしながらA11においては、高性能コアと高効率コアの同時利用が可能となっています。
そのためベンチマークのマルチコア結果は、6コア全て使った処理性能となっています。
さらに高効率コア数はA10に比べ2倍に増えており、1コアあたりのパフォーマンスは70%もアップしています。
そのため、A10に比較してA11のマルチコア性能は飛躍的にアップしているのです。
A10でも同時利用できるようにすればいいじゃないか、と思うかもしれませんが、この部分はSoCのコントローラ部分で決まっているため、iOSのソフトウェアアップデートでどうにかできる部分ではありません。
今後のiPhoneも、iPhone 8と同様なSoCが採用されるでしょう。
そのため、次期iPhoneのSoCが同じコア数で処理速度が30%アップしたら、ベンチマークスコアは約13,000となります。
これはCore i7を搭載しているMacBook Pro 15インチと同等の処理レベルです。
やり過ぎのようにみえますが、歴代iPhoneの性能アップをみていると、このくらいはいってしまうでしょう。
Appleは今出せるものを全て詰め込んだ妥協しない製品を出してきますねぇ。
来年のiPhoneは、デザインだけでなく、処理性能も意識してみると面白いと思いますよ。
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