中性子星同士の合体による重力波の観測

雑感
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いつも読んでいただき、ありがとうございます。

最近重力波の話題がたくさん出ますね。
今年のノーベル物理学賞も重力波の観測でした。

ただし、重力波を初観測したのは中性子星同士の合体によるものではなく、ブラックホール同士の合体により放出された重力波でした。

その合体前のブラックホールの質量は、それぞれ太陽の36倍、29倍もありました。そして合体後の質量は太陽の62倍!

。。。あれ?

質量保存の法則より、合体したら36+29=65じゃなくて??

実は太陽3個分の欠損した質量は全て重力波のエネルギーとして放出されてしまったのです。それも合体した瞬間のほぼ一瞬に。

へぇーすごいなー、と思いますが、これ実はものすごいエネルギーなのです。

これがどれだけのエネルギーかと言うと、質量をそのままエネルギーとして放出する、原理的には同じである核爆弾を考えます。

広島に落とされた原爆は、1円玉1枚分の約1グラム程度の質量がエネルギーに変換されたと言われています。たったそれだけであれだけの被害を与えてしまうのです。

この、質量から莫大なエネルギーが得られるのは、アインシュタインが導出した有名な式、

$$E=mc^2$$

に起因しています。

この式が意味しているのは、エネルギーは質量と光速(c)の二乗の積に等しいと言うことです。ここで光速cの値は、約300,000,000[m/s]です。

その二乗なので、90,000,000,000,000,000もの値になります。

この値にさらに質量を乗じたものがエネルギーとなるので、実は質量そのものが莫大なエネルギーの塊なのです。

その質量が太陽3個分、一瞬にしてエネルギーに変わったのです。

これは、現在観測可能な宇宙の全ての星や銀河が発する光学パワーの10倍ものエネルギーを放出した計算になるらしいです。

ただし、この衝突では爆発は起きておらず、全てのエネルギーが重力波として空間を歪ませるためのエネルギーとして使われた(と思っています)。

さて、今回観測されたのは中性子星同士の合体による重力波です。これはブラックホールとは異なる非常にダイナミックな現象になります。

何がダイナミックなのか?

まずはブラックホール同士の衝突から考えましょう。

ブラックホールには硬い地表がありません。実際にはどんなものかは誰にもわかりませんが、イメージとしては無重力に浮かぶ水玉を考えるとわかりやすいでしょう。そこを目掛けて、もうひとつの水玉をぶつけることを想像します。

そうすると水玉はひとつになり、量は水玉二つ分と同じ質量になるでしょう。そのぶつかった瞬間、水玉はブヨンブヨン動くところが想像できるかと思います。

まずはぶつかって合体した瞬間に水玉の形状が最も変形すると思います。その際に最も強い重力波が発せられ、ブヨンブヨンしている振動がおさまるまでの間にも減衰しながら重力波は発せられます(間違っていたら指摘をお願いします)。もちろん合体前に2つのブラックホールがお互いの周りを回っている時にも重力波は発せられますが、合体した瞬間に一番強い重力波が発せられます。

次に中性子星同士の衝突を考えましょう。

中性子星は普通の星と同様、硬い地表があります。普通と書いてますが、全然普通ではない星です。何が普通ではないかと言うと、その密度と構造です(構造については割愛します)。

中性子星は大きさは半径10キロメートルほどですが質量は太陽ほどあります。つまり超高密度な星です。

その密度は1立方センチメートルあたりの重さが約10億トンにもなります。つまり角砂糖1つの大きさで10億トンもあるというとんでもない密度の星です。

全く想像できないですよね。

そしてそんな異常な星同士がお互いに公転しながら徐々に近づき、光速に近い速度で衝突するのです。

ブラックホールの場合は地表がないので衝突してもブヨンブヨンですみますが、中性子星の場合は非常に硬い地表があるため、その衝突は凄まじいものがあります。想像を絶する大爆発でしょうね。

これが中性子星同士の合体は非常にダイナミックであると言った理由です。

そのような衝突による大きな違いがあるため、ブラックホール同士の衝突なのか、中性子星同士の衝突なのかを重力波の形から特定することができるのです。

それにしても中性子星同士の衝突は想像しただけで恐ろしいですね。

今後も様々な観測結果が出ることを期待したいと思います。

ここにわかりやすい説明がありました。
http://higgstan.com/gw-ns/

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